2010年02月06日

叙吟句〜雪月梅編

雪が残る明け方、走りに出たら、空は晴れてぽっかりと丸い月。

畑の開けたあたりは一面雪に覆われ銀世界。

立ちこめた朝もやの向うに月がかかり、ふだんは見栄えのしない田舎道が水墨画さながら、幻想的な世界に一変。

二日後。
冬日の立春。

夜明け前の暗い空には、欠けた月が皓々と輝いて。



 雪の朝もやの向うに明けの月 種火

 紅梅に雪ふりつもる冬日なり 

 立春の朝紅梅に雪冠る

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2009年10月16日

叙吟句〜ハセツネCUP編

どうしてもこれだけはやっておかないと、「私のハセツネ」が終わらない。

青梅・高水山常福院のお守り、高尾山薬王院の念珠とタイガーストーンを身につけ、山に入った。
道中の無事をただただ祈って走った。

 山神に祈り分け入る奥多摩路 種火

奥多摩は東京近郊。空が開けた所からは、街の灯が思いのほか近い。
携帯電話も圏外ではないことが多い。

 見渡せば闇を彩る街灯り 

ランナーのヘッドライト、ハンドライトの灯が、延々と続く。
黒澤明の「夢」の中の、狐の嫁入り行列のようにも見える。

 闇の中うごめく光列をなす 

晴天の夜なので、山中から星がよく見えた。

 暗闇の底から見上ぐオリオン座
行けども行けども山坂の連なりに、ココロが折れそうになる。

 行き行きてなおはるかなり山路かな

御前山を経て、大ダバに着いたのが午前5時。
ついに夜がしらじら明ける。
フィニッシュにはまだ遠い。

 フィニッシュはなお先ならん明けの空

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2009年10月04日

叙吟句〜中秋の名月編

今まさに、仲秋の名月が中天にかかっている。

二階の南向きの部屋を暗くして、窓を開け放ち、夜空を見上げたら、雲間から満月が顔を出している。

しばし窓辺に佇んで見惚れた。


来週、奥多摩山中から、ちょっと欠けた月が見えるといいなと思う。


 月光にぶつかつて行く山路かな 水巴

ちょっと句心が湧き、歳時記を手に取ったら目に入った句。
まさに「月光にぶつかつて行く山路」だ。ハセツネは。

 月の道駆け抜けて行く我ひとり 種火

となれば、最高。

CIMG4583.JPG

CIMG4584.JPG
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2009年10月01日

叙吟句〜富士山麓トレイルラン編

河口湖の湖畔から山に分け入ると、富士山麓にひろがる富士五湖や樹海を一望のもとに鳥瞰できるビューポイントがいくつかある。
さらに、山を下って樹海の中に分け入れば、そこは水底のような静謐が支配していた。

 湖と樹海をわたる秋の風 種火

 樹の海を藻屑(もくず)のごとく漂うなり

 茫茫とススキ越しに見る樹海かな

レース終盤、急坂をあえぎあえぎ登っていると、女性ランナーが一陣の風のように現れ脇をすり抜けると見る見る遠ざかり、視界から消え去った。
“北丹の女王”こと、北丹沢12時間山岳耐久レース優勝の間瀬ちがや選手だった。
ゲストランナーとして後方から走っていた。

今年の“秋一番”が目の前を駆け抜けて行った。

 天かける乙女の姿秋一番
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2009年07月06日

叙吟句〜09サロマ湖編

六月末、サロマ湖を走った。
百キロ走るウルトラマラソンで、今年で三回目。何とか完走を果たした。
レース前日羽田から女満別に飛び、降り立ったら三年目にして初めて、晴天に出迎えられた。

これまで降り立つと肌寒さにジャケットを羽織ったが、今回は太陽がまぶしくてサングラスをかけた。
受付会場に向う途中バスの車窓から眺めたサロマ湖の湖面は、陽光をキラキラ反射していた。

  サングラス越しに太陽がいっぱい  種火

  陽光のきらめき湖※うみ※のかなたまで  

  
◇出発

レース当日は朝から濃霧に包まれた。前半はずっと霧の中を走った。

  ランナーの影溶け込める霧の中

  五里霧中疾走するは幻か  


走力が拮抗するランナーとは、道中至る所で出会い、抜きつ抜かれつする。
レース後半の通称“魔女の森”の中で、幾たびも目になじんだ背中を追おうとしたら、悪い夢の中のように足が進まなくなった。

  遠ざかる背中※せな※を見送る魔女の森
午後から次第に天気は回復し、午後3時前ワッカに入ると、空はきれいに晴れ上がった。
ワッカの森の中は、木漏れ日に満ちていた。

  新緑の木漏れ日の中奔※はし※る影

過去二年続けて寒さに震えながら走ったワッカの復路は、うららかな日差しに包まれ、最後まで快適に走れた。

  潮騒が声援となるワッカ浜

  つかの間の晴れ間に心のどかなり


◇終点

今回は妻が応援で同行した。
ウルトラマラソンは途中苦しい分、家族や友人の応援がひとしお心にしみいる。
12時間38分05秒、ゴールで待っていた妻と一緒にフィニッシュゲートをくぐった。

  君の手を引いて潜ろうフィニッシュゲート
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2009年06月02日

叙吟句〜山中湖編

 富士も見ず走り終えたる者どもよ   種火

 山霧の向こうにうすく富士のかげ

 空低く湖面を覆い隠しをり



今年の山中湖ロードレースは雨模様で、富士山は終始すっぽり雲に覆われ結局見えずじまいだった。

その分涼しくて、レース・コンディションとしては申し分なく、例年のように終盤ばてて足が止まることもなく、タイムは山中湖の自己ベストをわずかながら更新した。

走り始めたのが18年前。初レースが、翌年5月のこの山中湖ロードレース。今年が17回目のレースだった。

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2009年05月06日

叙吟句〜函館の旅編


 海峡を桜前線北上す 種火

このGW、弘前、函館の桜の名所が前後して満開となり、お花見まっ盛りとなった。
桜前線も確実に津軽海峡を北上したということか。

 ありし日の啄木の影追いし浜

石川啄木が好んで逍遥したという大森海岸にどうしても行きたかった。
今回の旅でその念願が果たせた。

 城跡に古き名残の桜かな

松前まで足を伸ばした。
名高い「血脈桜」は散る前に間に合った。

 山道に海より出ずる朝日さす

函館の日の出時間は早い。
早朝の函館山の山道で、梢の間からご来光を仰ぎ見ることができた。

 降り注ぐ朝陽に光る海と街

 キラキラと輝いており街と海

函館山を走って下る途中、視界が開け函館市街地と海に雲間から朝陽が降り注ぐ印象的な光景を見た。

 岬より海峡わたる風を見る

立待岬に立ち、津軽海峡をわたる風に吹かれながら、群青の海を飽くことなく眺めた。
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2009年04月21日

叙吟句〜ハセツネ30K編

 山中に解き放たれし走者かな 種火

午前9時、山間の林道にサイレンが鳴り響き、先頭ではトップランナーが飛び出し、後続の一般ランナーも少しずつ動き出す。
1300人余のランナーの放つ気が、いっせいに山と空に向け解き放たれた。

 登山道人溜りにただ立ちつくす

スタートしてしばらく林道を駆け上り、登山道へ入ったら渋滞でとたんに人溜りが動かなくなった。
動き出すまでじっと足を休め、静かに身内に気を溜める。

 奥山に上り下りの苦界あり

レース後半の難所は、激しいアップダウンがつごう9回続く。
足が攣るランナー、激しい疲労に気分が悪くなるランナー、うずくまって肩で息をしているランナーetc続出の、まさに苦界(一応、かけ言葉)。

 苦楽走辛苦の先に喜楽あり

後半の難所さえ乗り切れば、残りはフィニッシュまで快適なトレイルランコースが続く。
ゴールに曲がるコーナーでは、先に走り終えたランナーが山から下って来るランナー達に励ましの声援を送る。
声援の体感温度は通常のレースよりかなり熱いように思えた。
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2009年03月27日

叙吟句〜東京マラソン編(下)

 手を振れば人波の中朋笑う 種火

 追い風に東京タワーが揺れている

 沿道に人さんざめく銀座辺

 雨空を見上げてくぐるゲートかな
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2009年03月26日

叙吟句〜東京マラソン編(上)

 出発(たびだち)は摩天楼のふもとから 種火

 スタートの号砲待つ間の胸騒ぎ

 漆黒の背中が遠ざかって行く

 雑踏でわが名を呼べる声ありき

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2009年03月11日

奥多摩TR〜叙吟句行

四月に走る「ハセツネ30K」http://www.hasetsune.com/30k.htmlの下見で、コースの奥多摩山中をトレイルラン(TR)した折り詠んだ句。

三月弥生、山の中にも春の気配が漂い始めていた。
麓のスタート〜ゴールのあたりでは梅が咲き誇り、鶯の鳴き声も楽しめた。

 尾根道を行けばほのかに春息吹く   種火

 鶯の声を頼りに山に入る

急坂をあえぎあえぎ登攀しながら山の頂を見上げる。
あそこにたどり着いたら、背中のリュックの中の握り飯を食べよう。
そう思うと、急に山頂が天国のように見えた。

 春山の道なき道をただ登る

 仰ぎ見る山の頂天つ国


山頂で走友を待っていたら曇り空がちょっとの間晴れた。

 朋を待つつかの間山の雲晴れる

下山ルートを間違えて、山の反対側に下りた。
下って来た道を登る気力はもはやない。
山の麓を巻いて、遠回りしてでも、ゴールをめざす。
それもまた楽し。

 迷い道それも楽しき山走り
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2009年02月19日

白富士

 雲を背にうっすら白き富士立てり

 純白の富士朝空に輝けり
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2008年07月25日

“叙吟句”08-01

サロマにてー

 去年(こぞ)今年北の大地を走る旅

 広涼の地平と空のタペストリ

 点点と水鳥遊ぶ干潟かな

 サロマ湖は小雨に煙り空に融け

 放たれし牛ぽつねんと草を食む

 歩を進めゲートをくぐる旅の果て

 歩いてもサロマ走ればなおサロマ

 雲低く空を覆いて丘煙る

 湖(うみ)と海中を貫く人の波

 六月の光集めて海に降る

 午後光にさんざめくなりオホーツク



七月に寄せてー

 見上げればノウゼンカズラ亡母(はは)の影

 七月の雨に打たれて夏至過ぎぬ

 梅雨の底古い記憶を拾い上げ



高尾山〜陣馬山にてー

 山頂の風涼やかに梅雨明ける

 山道を行き交う人の遠き声

 蝉の声未だ聞こえず山の中
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2007年12月12日

“叙吟句”07-09

 レノン忌に咲く侘び助の白きかな
⇒毎年この頃になると、庭の侘び助が白い花を咲かせる。
白いこぶりな花で、はかない感じが、ジョン・レノンの命日にふさわしく思える。

 小春日にイマジンの歌空に満つ
⇒今年の12月8日は、まさに小春日和だった。
イマジンが空から聞こえてきそうな午後だった。

 月星に祈る朝(あした)の寒気かな
⇒家族の入院〜手術に、無事息災を祈りつつ走る日々が続く。

 川岸に並びて立てりユリカモメ
⇒江戸川に注ぐ小さい川の岸辺のフェンスに、ユリカモメが10数羽整然と並んで羽を休めていた。
バードカービング=木彫りの鳥の置き物みたいにジッと止まっていた。

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2007年12月02日

“叙吟句”07-08

 筑波ねのみねより落つる35キロ
⇒終盤失速して失意のつくばマラソンから1週間。
もう1週間。
まだ1週間。
ずいぶん前の出来事のような気もするのも、月がかわりはや12月だからか。

 筑波嶺のすっくと立てり冬の空
⇒晴れ渡った初冬の空にすっくと屹立する筑波山を何度も仰ぎ見ながら、筑波路をあえぎあえぎ走って歩いた。これもマラソン。

 紅葉のかなたにかすむ筑波山
⇒広大な筑波大学キャンパスの紅葉〜落葉した並木道をぬけて、パッと開けた土地に出るとどこからも筑波山を遠望できる。
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2007年11月26日

“叙吟句”07-07

 水鳥が集う水面に寒の月
⇒暗くなり走っていて川を見ると、カルガモの群れが水上で集会中のように群れていた。その輪の中に、ほぼ満月が水面にもポッカリ浮んでいた。
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2007年09月24日

“叙吟句”07-06

 夏は去り彼岸過ぎても秋は来ず
 
 この頃は彼岸過ぎまで夏日かな

 木に巨(おお)き白き花咲く鷺の群れ


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2007年08月01日

“叙吟句”07-05

 山々が折り重なりて湾に落つ

 夏の日や海岸で寝る昼下がり

 朋の子とカヌーに揺られ海の上



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2007年04月12日

“叙吟句”07-04

 一面に路上覆いし桜かな

 見渡せば桜の花のカーペット

 くつ底に花弁はりつけ桜道

 口中に桜の花弁舞い込めり

 葉桜を見上げる候となりにけり
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2007年04月02日

“叙吟句”07-03

 道々に桜満ちたり春ランRUN
posted by ten at 17:05| ボストン ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 叙吟句 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする